名古屋 地域の国際化セミナー 多文化共生 ~地域は変わったか~ 2

前回の続き

2.外国人・民族的マイノリティの子供の教育をめぐる今 ~国の政策の現状と課題~

<2.パネリストの金さんってどんな人?>
大阪生まれの在日コリアン3世。民族学校の制度保障や外国人の子どもにかかわるスクールソーシャルワーカーとして活動。コリアンNGOの講師。著書 「多文化共生のまちづくり」 「日本国籍をとりますか?」 「外国人・民族的マイノリティ人権白書」

<金さんの印象>
いきなり、大阪弁バリバリで話がスタート。内容の重い話を笑いを取り入れながら話してくれたので、親しみ深く聞けた。金さんの出生地、生野区の歴史も語ってくれた。印象的なのは、在日コリアンは、彼が生まれた当時、社会保障のセイフティネットから漏れていて、国民健康保険に加入することができなかった。

以下は、金さんの資料から掻い摘んで紹介します。

在日ブラジル人、ペルー人の多くは、派遣労働によって家計を支えていたので、派遣切りは大きな打撃を与えた。それによりもっとも多く影響を受けたのは子供たち。日本社会で「不就学」となり、日本語も、そして出身地の言語も正しく使えない子供たちの存在。

2008年の学校基本調査による公立小中学高校に在籍する外国人のこどもの数は約8万人弱でそのうち約2万5千人弱(08年9月現在)が日本語指導が必要な外国人児童生徒。 全体の約3割。

文部科学省の2005年、6年と2年間の全国13都市にての調査結果によると、その時点で少なくても「不就学」と「就学先不明」の外国人児童生徒が全体の約19%に上り、今日はもっと深刻化さを増している。

外国人のこどもが急増したことで、もっとも苦心しているのは、自治体と学校現場であること。

大阪における先行事例

民族学級 ‐ 在日コリアン、もしくはコリアにルーツを持つ子供を対象に取り組まれ、約週1、2回程度、授業の最終校時や課外時間を使って行われている。だだし、民族講師や外国人教育コーディネーターの処遇は確立されていない。教育委員会の非常勤講師制度、有償ボランティア制度、学校の維持運営費の一部を使った「謝礼」などで、挙げている効果からいえば、『安く使われている』ことになる。

外国人学校は現在全国で約200校あり、その半分がブラジル学校、1/3が朝鮮学校、それに欧米学校、ペルー学校、中華学校などが続く。外国人学校は公教育から弾き飛ばされた学びのセーフティネットとして、公立学校における外国人のこどもの受け入れが整なわない中で、1990年代中盤に急増したが、処遇は不安定なまま。

朝鮮学校や中華学校、インターナショナルスクールは法律上、自動車教習所や技能教室などの『各種学校』扱い。国立大学への受験資格は、朝鮮学校だけが文部省にて排除されており、交通機関の学生割引きについては、未認可の外国人学校は対象外扱い。日本国内では未認可扱いを受けているブラジル学校は、半分近くがブラジルの本国では、政府の卒業資格認定を受けている。しかし、日本では『私塾』扱いのまま。

外国人学校の保健や公衆衛生についての情報提供についても皆無に近い。同時に、政府が新型インフルエンザをはじめ、感染症対策に懸命になっているが、こうした感染症対策の正確な情報が国内の外国人住民に正しく届いているだろうか?※1

今起こっている大量解雇によって、外国人支援NGOの把握では、約4千人のブラジル人の子供がブラジル学校をやめたと推計した。果たしてこの子供たちの教育はどこが担うのだろうか?

今年に入り、小渕優子内閣府特命担当大臣が所管する「定住外国人施策推進室」が新たに設けられ、1月30日に対策が発表された。いろいろと揚げられたので、取り組もうとする姿勢については評価したいが、既存施策の再揚が少なくなく、自治体に対応を促したにすぎない側面が強い。存続の危機に処している外国人学校への緊急支援には全く触れなく、未許可のブラジル学校などは公的支援の対象から外されているため、授業料が月額4万~5万と高額になっている。
※1について、自分で少し調べてみた。結果、、、愛知県の公式サイトには、日本語でしっかり説明はされていたが、英語版にはInfluenza の情報を見つけることができなかった。
名古屋市のサイトにはHealth Reference という欄で、概要は説明されていた。日本語の情報とは比べ物にならなかったが、、、。
あと、NICではFlu Shot として掲載されていた。公立学校からの情報へはアクセスがないので有無については不明。
『在日コリアン』と言えば、個人的に無関係とは言えない。バンクーバーに住んでいた時、「在日コリアンの会」というのに参加しました。確か2003年だったかな?すごく、いろんな意味でいろんな事を学びました。はじめて聞いた言葉は「平和ボケ」。慰安婦のことや、本名で生きる大変さ、「カミングアウト」という言葉や、日本の政治について、人権について、民族についてなど、日本で生まれ、育ったにも関わらず知らないことがいっぱいある事を知った。違った観点から物を見つめ、自分の意見を持っている在日の存在にとても惹かた。仲良くなった人たちもいた。私としては、できればずっと連絡を取り合いたい魅力的な人たちだったけれど、お互いに住んでる国が変わり、環境も変わり、少しずつ疎遠になっていってしまい、今でも残念に思っている。

『マイノリティ』と言えば、私は在日日系カナダ人の3世なので、超、マイノリティーですね。

<その他、ウェブで見つけた金氏の記事>
「新しいレンズで世界を見てみない?」ー在日コリアン三世の自己形成史を通してー

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