名古屋 地域の国際化セミナー 多文化共生 ~地域は変わったか~ 1

3月15日、名古屋国際センター主催で行われたセミナーに参加した。

夫が最初に興味を持ったセミナーだったので、てっきり通訳つきのバイリンガルのセミナーだと思い込み?受付で参加料を支払い、いざ会場の中へ。案内された席についたその直後、来賓席を見てショックを受ける。通訳がどこにもいなかったのだ!

もう遅すぎる。夫は大ピンチ。内容はかなり濃い目のお話。おそらく、ほとんど分かっていないだろう。
あきらめて外へ出ていくかと思いきや、それでも一生懸命聞こうと努力している。その姿が涙ぐましかった。

しっかり二人分聞いて、後で詳しく説明してあげなきゃね。って思った。

パネリストは以下の4人で、みんながそれぞれ、違う分野、観点から話をしてくれて、ひとひとつがかなり興味深かった。

1愛知県営住宅自治会連絡協議会会長 川部國弘氏 (かわべ ひろくに)
2特定非営利活動法人コリアNGOセンター事務局長  金光敏 (きむ くぁんみん)
3徳島大学総合化学部 人間社会学科准教授 樋口直人 (ひぐち なおと)
4甲南女子愛額文学部 多文化コミュニケーション学科准教授 リリアン テルミ ハタノ

進行役は、名古屋国際センター(NIC)の事務局長

ちなみに、NICは、『市民の国際感覚の育成、外国人への利便提供、市民・外国人の相互理解の育成』を目的に1984年、外務省の許可の元で設立されている。とのこと。

この先は、配布されたパンフレットの情報を元に、私の意見も交えて紹介していきたい。

<1.パネリストの川部さんってどんな人?>

★1992年から10年にわたり、外国籍市民が多数暮らす「愛知県西尾市」の緑町住宅自治会長を務め、2002年から現職に。
★「お互いが安心・安全」に暮らせる地域をめざし、防災訓練の実施や外国住民の町内会や地域行事の参加を働きかける。
★2002年に、「外国人との共生を考える会」を設立し、外国籍児童の放課後の学習支援に取り組んでいる。

<川辺さんの印象>
とにかく、熱さを感じさせる人でした。心から外国人の住民とどうやったらうまく暮らせていけるかを真剣に考え、本当に当人たちと共に、必要なこと、できることは何か模索し続けた人、続けている人だと思います。

彼のメッセージの中で繰り返し言われたのは、「公営住宅法」のことを知らない人が多すぎるとのこと。実際、私も初耳だった。この法律について、一人でも多くの人の認識を強く求めていた。

4月に改正される法律によると、今、県営住宅に住んでいる人も新しい法律によって強制に退去を求められる人がいっぱいいるということ。その中の住居者は仕事を解雇された等の理由で、家賃を数ヶ月払えていない。管理費が払えないと、住宅の公共の電気も止まってしまい、下水の掃除もできなくなり、、、、この家族たちは、どこにもいくところがない。でも、強制に退去させられてしまう、、、。

家賃を”払わない”のは悪いが、仕事を探してもみつからず、家賃を”払えない”のに救いの手もないのが現状だということらしい。

<自治体活動の現状>

【いままでの流れ】
・90年の入管管理法改定以来、外国人住民の増加、
・公営住民法の改定により公営住宅への入居者増加

【地域住民とは?】
・「出稼ぎ」から「安住/定住」へ
・ゴミ分別、駐車場確保、生活習慣の違い(騒音)、日常生活上、必要な情報不足

★ルールを”知らない人”には、その人が分かりやすいよう、教えてあげればいい。

【外国人には”外国人の郷”がある】
・日本人の当たり前は、外国人には当たり前ではない

【行政の遅れた対応】
・通訳、翻訳の人材不足をと必要性の認識不足
・外国人住民の意見・要望を聞ける場所、機会を!
・外国人も納税者であり、使い捨ての部品ではない。

★行政は誰の為に働くか? 納税者のため! 日本人の為ではない。

【隣人として、人として】
・お互い様、支えあい、助け合いの精神で
・新しい時代のパートナーとして。

【活動の成果】

・平成13年に、民課窓口へポルトガル語(ポ語)の通訳配置 (西尾市)
・県営住宅入居説明会で通訳の配置、しおりに5ヶ国語表記
・ゴミ分別カレンダーとゴミ袋、英語とポ語版作成、ポ語の分別ビデオ作製、ゴミ分別看板の設置 (西尾市)
・消防本部通信司令部へ5ヶ国語表記の対応マニュアル配置 (英語、ポ語、スペイン語、中国語、ハングル語) (西尾市)
・ポ語による防災ビデオの制作 (西尾市)
・ポ語による交通暗線啓蒙下敷き配布 (県委託にて、西尾市内の小学校へ)
・外国人児童・生徒への学習支援により、高校へ進学する生徒増加
・地域の協力により、足りなかった駐車場を田を埋め立てて増設したため、違法、迷惑駐車の激減・外国人住民の自治会・町内会へ加入率100%にいたる地域の増加・
外国人の地域のイベント参加者、公共施設の利用者増加
・県営住宅自治会長に、外国人住民任命される (西尾、豊橋、高浜)

【県営住宅外国人入居状況 平成21年度2月1日現在】

管理地区 名古屋市の場合

管理  入居  大韓 朝鮮民主主  アメリカ 東南  ブラジル ペルー その他 世帯数 入居率 比率
戸数  戸数  民国 義人民共和国 合衆国 アジア                       ※1   ※2
19966 18268 136    461      8   17    153  46   88   941  5.2% 14.2%

※1 入居戸数に対する比率
※2 外国人世帯総数に対する比率

【今後の課題】
・自治体の継続 - 活動に興味がる人、ない人の2極型が顕著
・住民は主体性を、NPOは押し付けを止め、行政は丸投げを止める
・住民自治に国籍はない
・自立の為の支援を。おもてなし、ほどこしは必要とされていない
・世代層のバランスのとれた入居施策、地域社会の再構築

<私の感想>

たしか、以前、ご近所の底力 という番組で、団地に住む問題に取り組んでいたという内容のものを見たことがありますが、やはり相手の文化を知らないので、自分のものさしで相手を図ることしかできずに、不満ばかりがお互いにたまり、なかなか解決法を探すのに苦労されているような気がしました。

私たちの住んでいたカナダは、「モザイク」という言葉で多文化を表し、その意味は、いろんなものが混ざり合って一つのまとまり、すなわち国が存在するということです。北海道のアイヌなどの先住民族を除いては、古来から日本で暮らしてきた人々のほとんどが、日本民族だという理由から、北米などでは、普段の生活の中で当り前に接している異文化、多様な生活様式との共存が、日本では簡単でないことは確かだとおもいます。

県営住宅って言われても、あまりピンときませでしたが、ちょっと調べてみたら、愛知県の公式サイトに、英語版でもLiving in Aichi Prefectural Housingとして掲載されていました。

一体、どれくらいの倍率で応募されているのか?ちょっと気になりますね。例えば、そういう所に住んで家賃をセーブして、家を建てる頭金を貯めるというのも賢い選択の一つかもしれませんね。

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